【意味・成り立ち】「花」は姿をころころ変化させる部分!【漢字】

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カ・・はな
7画 / 艸・艹部 / 会意形声
①はな。植物のはな。
②はな。はなのようなもの。きれいなもの。
③はなの形をした模様。
④さまざまな色や形が入り混じった模様。
⑤美しく派手なもの。盛り。
⑥はな。日本では特に桜のこと。
⑦はな。中国では特に牡丹のこと。

 

ここでは「花」の成り立ちと意味について見ていくよ。

確かに日本で花といえば桜だなぁ

 

 

「花」の意味と成り立ち

「花」は「くさかんむり」と「化」という2つの漢字から成り立っています。「艹」は植物に関することを示す記号です。「化」は、左側(亻)が普通に立っている人を、右側(匕)が倒れて死んでいる人を、それぞれ描いた図形。ために、人間の生から死への《変化》を意味しています。これにより「花」は、植物の中でも姿がすぐに変化してしまう部分《はな》をあらわしました。

この意味は、今日では「沈丁花チンチョウゲ」や「紫陽花あじさい」など花の名称にはもちろん、「花瓶」や「花壇」といった、花に関する物事に使用されています。

また、字を崩したサインをいう「花押」では、「花」を《はなのような模様》の意で使用しており、花に似ているものを指しています。このような例は「花火」や「氷花」など身近な言葉にもみられ、《はなのようなもの》という漠然とした意味となっています。「両手に花」とは、花のように美しい女性に囲まれていること。

豊臣秀吉の花押
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ちなみに、「花魁カカイ」とは、梅の花のことで、春にほかの花にさきがけて咲くことに由来しています。「花魁おいらん」と読ませて、遊女のことを指すのは、日本独自の使い方です。

《はな》などの意味を使用した例

「丸花蜂」花から花へ飛んでいる様子から。
「虫媒花」虫に花粉を運んでもらう花。
「花王」牡丹のこと。
「花顔」はなのように美しい顔立ち。
花衫カサンはなのような模様のある下着。

「今が花」や「花形役者」のように、「花」を《派手なもの》や《盛り》の意味で使用するのも、同じく日本独自の例。花が咲いているときが、最も派手で、盛っていることから来ている意味であると考えられます。「花々しい」「花やか」もこれにあたりますが、これは「華々しい」「華やか」と書く方が一般的でしょう。

相手に功を譲り「花を持たせる」や話に「花が咲く」も、これらと同じ意味です。それぞれ「名誉を譲る」「話が盛る」と言い換えることができます。こちらは「持たせる」や「咲く」という言葉がついており、本来の「花」の用法に近い分、わかりやすいかもしれません。

余談ですが、歌舞伎で「花形」となる役者が通る道のことを「花道」といいます。これは後に、観客の間を通る道の意で使用されるようになりました。なので、結婚式場で花道を通る嫁を「花嫁」と呼ぶようになったそうです。(諸説あり)

《派手なもの》などの意味を使用した例

「花を添える」派手さを加えること。
「一花咲かせる」一時華やかに盛ること。

近い意味の漢字

「華」製作中
「英」製作中

 

 

「花」の部首は「艹」

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「花」の部首は「艹」。「艸・艹」は草や木など植物に関することをあらわす部首です。「花」では〈植物〉に関することをあらわすために使用されています。

 

参考資料

花押 - Wikipedia

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