【意味・成り立ち】「芳」は花の香りが広がっている!【漢字】

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ホウ・かんばしい・かおり・かぐわしい
7画 / 艸・艹部 / 会意形声
①かおり。四方に広がるよい匂い。
②かんばしい。香りがよい。
③かんばしい。美人をたとえること。
④物事が自分の思うとおりに行っている。
⑤相手に敬意をあらわすことば。「芳志」

 

ここでは「芳」の成り立ちと意味について見ていくよ。

「かんばしい」ってどういう意味なん?

 

 

「芳」の意味と成り立ち

「芳」は「くさかんむり」と「方」という2つの漢字から成り立っています。「艹」は植物に関することを指す記号です。ここでは特に《花》をあらわすために使われています。「方」は、持ち手が下の図のようになっているすきを描いた図形で、これが四方に伸びていることから《広がる》というイメージを持っています。


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これにより「芳」は、花から四方に広がる《かおり》、またよいかおりをいう《かんばしい》などの意味で用いられました。

現在では、花の香りにのみ使うなどの制約はなく、様々なものの香りを示します。例えば「芳醇ホウジュン」。食パンに同名商品がありますが、こちらはもとお酒などの香りが良いことをあらわす言葉でした。このほか、香りのよい酒をいう「芳醑ホウショ」や「芳醪ホウロウ」、甘酒を指す「芳醴ホウレイ」、酒樽をのことである「芳樽ホウソン」という具合に「芳」はお酒に関連する言葉に多く使われています。昔の人々は、よほどお酒の香りが好きだったのでしょうか。

また、「芳」には《美人》の女性を指す意味があり、「芳姿」や「芳紀」など一部例が見られます。おそらく、花の香りと女性の色香をかけあらわせた意味であると考えられます。しかし、こちらはやや特殊であるため、今日ではほぼ、使用されていません。

《かんばしい》などの意味を使用した例

「芳香」よいかおり。
「芳芬」よいかおり。
「芳艶」草花のかおりがよく、美しいこと。
「衆芳」多くのよいかおりの花。

「芳」にはもうひとつ、別の使い方があります。それが《状況がよい》《思うとおりにいく》というもの。通常は「芳しい」と表記されるこの意味ですが、実は日本独自の用法です。日本でしか使われていません。

ビジネス面でよく見られ、「状況が芳しくない」や「仕事が芳しくない」のように用います。普段の生活でも「体調が芳しくない」や「芳しい成績が得られない」と使うことがままあるといえるでしょう。

これらの例からもわかる通り、この意味は何故か、否定の形で使われることがほとんどとなっています。「体調が芳しい」のようには使いません。そして、その理由はわかっていません。

近い意味の漢字

「香」製作中

 

 

「芳」の部首は「艹」

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「芳」の部首は「艹」。「艸・艹」は草や木など植物に関することをあらわす部首です。「芳」では《花》をあらわすために使用されています。

 

参考資料

用途で変わる「鍬(くわ)」の種類と使い方[AGRI PICK]

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